2020年F1(新)第12戦 ポルトガルグランプリ
2020年F1、新カレンダー第12戦、ポルトガルグランプリ、
2008年新設のサーキット、当時のF1のシーズンオフ・テストで使われて以来、F1の本レースとしては初開催となるアルガルベ国際サーキットの結果です。
2020年F1 ホンダ F1撤退を発表
ホンダが、2021年シーズン限りで、F1への参戦(パワーユニットの供給)を終了することを発表したようです。
発表の時間的には、昨日のF1GPニュースの生放送でも話題として取り上げられたはずですが、私はもうF1GPニュースは見ていないので、夜のNHKのニュースで一報を知りました。
F1関連のマイナーな話題をNHKのニュースで先に知る、ということは、記憶にある限りでは初めてのことですが、このコロナ禍での日本の大企業の動向はマイナーな話題ではなかったということですね。
ホンダの撤退は想定内だったので、あえてこれ以上は言及はしませんが、
これで、チーム・フェルスタッペン(レッドブルとアルファタウリ)は、2022年からは否応なく(確執のある)ルノーのPUを再度搭載せざるを得なくなるはずなので、そちらの今後の動向には興味を惹かれます。
2020年F1(新)第10戦 ロシアグランプリ
2020年F1、新カレンダー第10戦、ロシアグランプリの結果です。
おことわり:
個人的な理由により、これからはレース結果のリンクを貼るだけ(2020年のF1ヨーロッパ選手権の感想は終了)になります。
2020年F1(新)第9戦 トスカーナグランプリ 雑記
2020年F1、新カレンダー第9戦、「トスカーナ州・フェラーリ1000戦目」グランプリ、
F1の本戦としては初開催となるムジェロサーキットでしたが、
最終的な順位は、ライコネンは、5秒ペナルティだから、一つ繰り下がって9位ということですね。
完走台数が12台というのは、確か開幕戦が完走扱いまで入れて13台だから、それを下回る台数ということになるし、内容的に見ても、開幕戦を上回るドタバタ劇でした。
もともと上位争いの顔ぶれには全く興味の無い今年のF1なので、今回は初めてのサーキットに関しての感想だけを書いて済まそうと思っていたのですが、
これだけのドタバタ劇だったので、いくつかインシデントに対して、私なりの見解を少しだけ書き残しておこうと思います。
といっても、ドタバタだったのは後方勢だけの話で、結局は、今回もメルセデスがワンツーで、レッドブルも(顔は違うけど)3位だったし、それ以外のゴール出来た顔ぶれを見ても、結果としては別にいつもどおりだったのですが・・・
まずは、スタート直後、2コーナー付近での多重インシデントですが、これは2つのインシデントが同時に起こったものですね。
一つは、中団でのスロトールとサインツの接触が発端となり、サインツがスピンし、それを避け切れなかったベッテルがサインツと接触したもの。
どちらもこの時点ではリタイヤするほどの被害ではなかった(お互い、フロントウィングの破損だけだった)ので、レーシングアクシデントの範疇ということで、それ以上は特に言及することはありません。
もう一つが、問題の、後方での多重インシデントで、
後方の集団が、カメラのアングルによっては全部同じ白系のカラーリングの車両なので、リプレイ映像を見ても、どれが誰なのかすぐに判断出来なかったのですが、
ライコネンとガスリー、グロージャンの3台の多重接触とフェルスタッペンへの追突で、ガスリーとフェルスタッペンの2台がこの時点でリタイヤ、ということでいいのかな?
誰が一番悪かったのか、と聞かれれば、
川井ちゃんは、後方集団がポジションアップに躍起になっていたから、と言っていましたが、
私は、そうではなくて、このインシンデントの原因(誘因)はフェルスタッペンの失速(ホンダのPUの不具合)だったと考えています。
そもそも、この後方集団の中にフェルスタッペンがいること自体が問題な訳で、
フェルスタッペンは、ローンチのあと全く加速出来ずに、ただでさえ狭いコース幅の中で、コースのど真ん中をズルズルと後退し、中団や後方集団の邪魔になっていた訳で、後方集団のインシデントに巻き込まれた被害者ではなく、後方集団のインシデントを誘発した元凶だということです。
状況的には、1コーナの途中までガスリーの前にいたライコネンが、フェルスタッペンのせいで加速出来ずに後退させられたことで、コーナー出口でグロージャンとガスリー、ライコネンがスリーワイド状態となり、3台の多重接触が発生、
更に、ガスリーに乗り上げられてコントロールを失ったライコネンが、2コーナーの手前で減速したフェルスタッペンに追突させられた、という流れだったのではないかと?
その発端は、レコノサンスラップでフェルスタッペンのPUに電気的な不具合が発生したことですが、
なんでレッドブルは、また今回もグリッド上で修理作業を行ったのか?
パルクフェリメ規定があるのだから、カウルを外すような修理作業はピットでやれ、って話です。
電気系の不具合だから、結果的にその修理作業自体には意味が無かった訳ですが、もしフェルスタッペンが(レッドブルが)ピットレーンスタート、もしくは、最初からDNSを選択していたら、この多重インシデントを誘発することは無かったのではないでしょうか?(ホンダのPUの不具合に他人を巻き込んでリタイヤするな、ってこと!)
レース中の解説では全く触れられませんでしたが、前戦でのフェルスタッペンのリタイヤもホンダのPUの問題だったはずで、
開幕戦でのPUの不具合(アンチストールの誤作動)も含めれば、これでホンダのPUが原因となるフェルスタッペンのリタイヤは3回目、
暴力気質丸出しのフェルスタッペンがステアリングを投げ捨てた怒りの矛先が(あの時点で)誰に向けられたものだったのかは判りませんが、この先フェルスタッペンの不満がホンダに向けられるのも時間の問題なのかも知れませんね?
次に問題だったのは、その多重インシデントのセーフティーカーでのリスタートで発生した後方での多重クラッシュです。
これは、私も最初は、コントロールラインのギリギリまで再加速しなかった先頭のボッタスが誘発したものではないか、と思ってしまいました。
リスタートでの加速のタイミングが合わずに後方でクラッシュが発生することは(2列のローリング・リスタートである)インディカーではよく見られる光景ですからね。
でも、今回の真の原因はそれではなく、セーフティーカーのタイミングだったと?
国際映像で判る範囲では、セーフティーカー・エンディングのテロップが出たのは、ボッタスが10コーナーに差し掛かる手前くらいで、
そのあと、セフティーカーのランプが消灯したタイミング(先頭車が自分のペースで集団の先導を始めるタイミング)は最終コーナーの入口でしたからね、
これでは、ボッタスは(最終コーナーの出口から距離の近い)セーフティーカーラインまでに十分な車間を取ってから再加速することは出来ないから、結果的に、セーフティーカーがピットに入ったあと(セーフティーカーラインを超えて)から再加速するしかなく、コントロールラインのギリギリまで後方集団を引き付けるしかなかった、ということですよね。
珍しく、ハミルトンが無線で正しいことを言っていたと。(笑)
まあ、川井ちゃんたちは、最終的には、それでも、あそこで加速したジョビナッツィが悪いという結論だったみたいですが。
確かに、1列でのセーフティーカー・ラン(コントロールラインまでは追い抜き不可)でこういう状況になったら、リスタートは前車の加速を見てから自分も加速するしかなく、ジョビナッツィが悪いのはそれはそれで間違いないのですが・・・
前戦でのピットレーン・クローズの発令のタイミングといい、今のレースディレクターは、レース・コントロールの(内容ではなく)発令のタイミングがあまり良くないように思えます。
それに、セーフティーカーや赤旗のリスタート時のルールも、また変更になっているようなので、見ているこっちも混乱してしまうのですよね。(変更になった訳ではなく、もともと私が勘違いしていただけかも知れませんが?)
それでも、彼らはプロ(世界で最も優秀だとされるドライバーたち)なんだから、その程度の状況には問題なく対応しろ、って話なのでしょうが・・・
審判であるFIAは、何があっても自分たちのミスは認めないから、レース後の審議(事情聴取)では誰が悪者にされるのでしょうか?
ということで、レースの内容についてはこれくらいにして、
あとは、F1のレースとしては初開催となったムジェロサーキットについての感想です。(もともと私の興味はそこしかなかったのですが、)
人工的なティルケ設計のサーキットとは違って、昔ながらのオールドスタイルのサーキットなので、個人的にはそれだけで好感を持てるのですが、
解説者の方々も口を揃えて言っていたように、確かに、近代F1のレース用としては、少しコース幅が狭いのかも知れません。
追い抜き(順位の入れ替え)は、言われていたほど少なくはなく、逆に多かったくらいでしたが、ホームストレート・エンドでのワンパターンだけでしたからね。
って、抜かれたのはほとんどルクレール1台だけのようなものだったけど。(苦笑)
コース特性は、同じ高速サーキットでも、モンツァとは違い、スパやシルバーストンのようなハイダウンフォースでコーナーを全開で走るタイプのコースで、横Gが異常に高いのが特徴であり、
フェラーリのホームサーキット(F1用のテストコース)なのに、今年のフェラーリ(非力なフェラーリPU陣営)にとっては全く勝ち目のないサーキットということですね。
補足:
予選でルクレールが5番手だったのを解説陣は褒めていましたが、あれは、最後にセクター1でスピンしてイエローを出したオコンの前でアタックしていたのが、たまたま、ハミルトンとフェルスタッペン、ルクレールの3台だけだったからであり、フェラーリよりも速いはずの残りの6台がイエローの影響で2回目のアタックを出来ずに終わった結果なので、間違わないように。
まあ、確かに、今のフェラーリがQ3に残っただけでも凄いことなのかも知れませんが、決勝での姿が本来の今のフェラーリの姿ですから。
最大の特徴である8~9の複合コーナー(アラビアータ)を含むセクター2は、今のF1の車体性能なら誰でも全開で走れてしまうので、ドライバーの腕の差でのラップタイムの差が全く出ないということのようで、
このあと、せっかく復活したトルコも同じような感じで、8コーナーなども今のF1では見どころにはならないのかも知れませんね。
それに、ミック・シューマッハのフェラーリのF2004でのデモ走行の様子が録画で紹介された時に森脇さんも言っていたように、あの当時のF1からは今のF1には無い感覚的な速さを感じることが出来る訳で、
たとえ今のF1が物理的には当時のF1より圧倒的に速くても、そのつまらなさを再認識させられてしまうのですよね。
だからと言って、この先、現代のF1に合わせて、コースレイアウトを変更したり、コース幅の拡幅やランオフ・エリアの追加が行われることが無いことを願っています。
改修されて本来の良さが無くなってしまったサーキットは沢山ありますから・・・
今年のムジェロはあくまでもコロナ禍での臨時(緊急)採用であり、今後、定常的にF1が開催されることはないだろうから、心配ないとは思いますが、
ムジェロはこのまま(MotoGP用のサーキットのまま)でいいと思います。
追記:
結局、レース後の裁定は、こういう結果になったようです。
F1-Gate.com:F1トスカーナGP:リスタート時の多重クラッシュで12名に警告処分
とりあえず、ジョビナッツィひとりに責任を押し付けることはなかったようですね。
追記:
そのほか、レースディレクターの言い訳や、FIA寄りの専門家の見解はこんな感じです。
F1-Gate.com:F1レースディレクター 「セーフティカー時のリスタートを見直す必要はない」
F1-Gate.com:F1トスカーナGP:セーフティカー後のリスタートでの事故はなぜ起きた?
どうやら、あれはムジェロの(セーフティーカーラインとコントロールライン間の距離が長い)コースレイアウトの問題だったと言いたいようですね。