2019年F1 第2戦 バーレーングランプリ 決勝
なんだか複雑な結果になってしまった今回のバーレーングランプリの決勝・・・
本当の理由はよく判らないままですが、
フリー走行や予選の結果を受けて、開幕戦での評価は根底から覆され、フェラーリの車体性能やPU性能がメルセデスに対抗出来る(メルセデスを上回る?)ことが判ったことで、今年のF1に対する失望感が多少は薄らいだと思っていたのに・・・
それでも(その原因がなんであれ)やはりフェラーリは勝てない・・・
というか、
結果的には(これまでの過去5年でもなかった)開幕から2戦連続でメルセデスがワンツーという、私にとっては、これまで以上に最悪の状況になってしまいました。
ルクレールを気遣うようなハミルトンの発言も、私にとっては、棚ボタで優勝しただけの(パフォーマンスでは圧倒的にルクレールに後れを取っていた)ハミルトンが白々しい、というか、上から目線で何を言ってんだ、って感じです。
優勝が決ったあと、ヘルメットの中ではほくそ笑んでいたくせに!(これは偏見)
まあ、そんな結果はどうであれ、ここで一気に評価を上げたルクレール!?
フリー走行から予選、決勝を通してミスも無く、
強いて言えば、スタートでベッテルやボッタスに先行を許したのがミスといえばミスですが、それも自力でポジションを取り返し、
また今年も失態を繰り返すベッテルとの対比で、もう、フェラーリ内での世代交代は決った、という感じでしょうか?
フェラーリファンの期待や声援も、次戦からはベッテルよりもルクレールの方が上回るのでは、という気がしています。
まあ、これは偏見かも知れませんが、
FIAの関係者も、これでF1人気をフェルスタッペンに頼る必要も無くなったと確信したはずで、
最後のセーフティーカーの発動も、もうフェルスタッペンを表彰台に乗せる必要はない(ルクレールの方を表彰台に乗せたい)という意図が働いたのでは、と勘ぐってしまいました。
そのルクレール車のPUのトラブルは、レース中に言われていたMGU-Hの電気的トラブルではなく、エンジン本体の誤燃焼だということで、今のところ、コンポーネントの交換は必要なさそうですが、まだ原因は調査中なので、ちょっと心配です。
(追記:ルクレール車の不具合は年間2基の使用制限となるコントロールエレクトロニクスの不具合ということで、予防措置として、ハースやアルファロメオも含め、全車交換となったようです。)
一方でベッテルは、明らかにルクレールよりも劣るパフォーマンスだったうえに、言い訳のしようがない単独スピンで、開幕戦に引き続きレッドブルにまでも順位を空け渡すという大失態!
今回はチームとしての戦略上のミスが無かっただけに、余計に際立ってしまいました。
私も、既に予選の感想でも、勝つのはベッテルでなくてもいい、と書いているように、さすがに昨年來のベッテルには失望しているのは事実・・・
でも、車を降りたあとの発言が、どこぞの2世ドライバーなどとは違って、いたってまともなので、ベッテルのことは嫌いにはならないのですよね。
私が応援するのは、ドライバーとしての技量だけでなく、その人となりも含めてなので。(コース上で結果を出していればそれでいい、という価値観ではないので。)
そんなベッテルの精神面は確かに問題なのですが、
現状では、同じマシンで明らかにルクレールよりも劣っているパフォーマンスの方も問題だと思います。
素人目には、オーストラリアでの遅さを見ても、今年のフェラーリの車体はフロントの入りが弱い(昨年までのライコネンやベッテル好みのマシンではない)ようにも思えるのですが、それがルクレールには逆に合っているのか?
それが改善されれば、自ずとベッテルの感情が爆発する場面は減るはず。
でも、雰囲気的には、チームはこのままルクレール推しでもいい訳で、ベッテルは難しい状況に置かれている、と言えますよね。
【追記】
4月5日のF1GPニュースの中で川井ちゃんが指摘していた新事実として、ベッテル車のステアリングに「高いギヤを使え」という表示が出ていた、というものがありました。
原因としてはオーバーヒートか燃費の問題が考えられるということでしたが、
もし冷却の問題なら、以前から噂されている懸念事項だし、それがルクレール車の不具合とも何らかの関係があるのか?
燃費の問題だとしても、今回はリフト・アンド・コーストの話題は出ませんでしたが、開幕戦でも話題になったもので、
それらが本当にフェラーリの不安要素なのかが気になります。
それでもフェラーリのレースペースはルクレールもベッテルも同等であり、メルセデスよりも十分に速かったから、ベッテルはあそこで焦る必要はなかったと言われていましたが、
ベッテルは過去4年、メルセデスよりも劣る車体&PUでギリギリの差で戦ってきた訳ですから、いまさら十分に速いと言われても、自車の方が劣っていた状態に順応し過ぎていて、余裕を持つという精神状態への切り替えが難しいのでは、という気もしています。
私も、開幕戦と今回とのあまりの違いもありますが、昨年までの状況を考えると、今年のフェラーリが速いという事実を、今回の結果を見てもまだ完全には受け入れることが出来ません。(メルセデスよりフェラーリの方が速いと考えることを頭の中のどこかがどうしても拒否してしまいます。)
そういう点でも、新たにフェラーリに加わった若いルクレールの方が、余裕持って走った方が速いというこれまでとは異なる環境への適応力が高いのでは、と思ったりもしています。
と、ここまでが、今年の2強の話で、ここからは中団勢の話、
レッドブルは、私の中では、現時点では3強からの脱落確定です。
レッドブル自身も、フェルスタッペンもガスリーも、現在のパフォーマンスは車体側の問題だと言っているけど、本当にそれだけなのか???
オーストラリアの予選でもそうでしたが、そのタイムはもはや中団勢に近く、今回の予選ではフェルスタッペンですらハース(マグヌッセン)やマクラーレン(サインツ)とほぼ同じです。
決勝の終盤でワークス・ルノーがダブルリタイヤしたことで、信頼性の面では、確かにホンダPUはルノーPUを上回っていると言えるのかも知れませんが、予選での一発の速さを見ると、パフォーマンスの面では、まだルノーPUの方が上なのでは、と素人の私には見えてしまいます。
車体性能を考えると、現時点でレッドブル&ホンダPUの比較対象になるのは、ワークス・ルノーではなく、マクラーレン&ルノーPUだと思われ、ルノーとホンダのPUをめぐるそれぞれの過去の確執を考えても、ここの争いが激化すれば面白そうです。
(ホンダPUを捨てたマクラーレン、と、ルノーPUを捨てたレッドブル、正解はどっちだったのか、ってね。)
この状況がしばらく続けば、今は車体の問題だと言っているレッドブルやフェルスタッペンの批判の矛先が、一転して、ホンダに向けられるのも時間の問題なのではないでしょうか?
それ以外の中団勢も、今回は比較的国際映像に映る場面も多く、それなりに観ることが出来たのは良い傾向でしたが、(いつもこうなるとは限らないけど・・・)
やはり、ライコネンは中団勢の中に置いておくのは勿体無い!
アルファロメオの車体は、恐らく、中団というよりは、どちらかというと下位と言っていいはずで、予選や決勝での結果は明らかにライコネンのパフォーマンスですからね。
ハースも、車体性能的には4~5番手なのは間違いなさそうなのに、こちらは逆の意味で、昨年と同じドライバーのラインナップが勿体無い・・・
マクラーレンは、車体性能が大きく改善されたように思え、たびたび国際映像に映るアロンソの姿を見ると、アロンソが乗れば今のレッドブル/フェルスタッペンを上回るのでは、という期待すらも感じさせてくれます。
サインツは、残念ながら、2019年のフェルスタッペンの被害者第1号となってしまいましたが、ノリスも含め、2人ともドライビングは問題ないので、今後に期待します。
ワークス・ルノーは、ヒュルケンベルグも決勝ではいい走りをしているのですが、予選も含め、いまいち速さが足りない。
そこにきて、リカルドは毎回車体を壊すし(前戦は周知の通りだし、今回もヒュルケンベルグに突っ込むし)、PUは壊れるやらで、これではレッドブルから笑い者にされるだけです。
まあ、今回の残り数周での絶妙なタイミングのダブルリタイヤは、フェルスタッペンの表彰台を阻止するためだった、と勝手に解釈しておきますが。(苦笑)
レッドブルの宿敵として私は応援しているので、もう少し開発面で頑張って欲しいものです。
あとは、レッドブルの2軍と、ストロール・メキシコと、断トツでビリのウィリアムズは、どうでもいいです。
クビサの復帰後の活躍は観たいのですが、ウィリアムズはチーム存続も心配される状況なので、期待のしようが無いですから・・・
って、今年のF1はもういい、と言いながら、また今回も長々と素人の感想を書いてしまいました。
フェラーリは、ワンツーで前戦の結果をチャラにすることは出来ませんでしたが、とりあえず、前戦での期待を裏切る遅さは払拭することが出来たと言えるのかも知れません。
ただし、その理由が明確ではないので、この速さが毎戦続くのかどうかはまだ断定は出来ないと・・・
アルバートパークだけが例外だった、ということならいいのですが。
それで私の失望感も少しは薄らいだのですが、
結果的に、棚ボタでもハミルトンが勝ってしまったら、その不快感(ウンザリ感)の方が上回ってしまうのですよね。
次戦はF1第1000戦目、
記念すべきレースなら、なおさら、今度こそフェラーリの完勝で終わらせて魅せて欲しいものです。