気ままに、うぇぶ録 NEO

 F1の感想を中心にやってます。

2019年F1 第7戦 カナダグランプリ 雑記

レース後に解説陣の方々も言っていましたが、今回はなんとも後味の悪い結果となってしまいましたねぇ・・・

 

f1-gate.com

 

まあ、今年のこれまでの状況からも、予選でベッテルがポールを獲ったあとも、そのまま優勝出来るというような甘い期待はしていなかったし、

今回もまた、あのコースアウトはベッテル自身のミスだった訳で、

どっちが優勝でどっちが2位でも、いまさら今年の状況には何の影響もないので、順位そのものは別にどうでもいいのですが、

 

とりあえず、今回は、問題となったベッテルへのペナルティについての私の(素人の偏見だらけの)見解を書いておこうと思います。

 

 

恐らく、今回は、私のような偏見は抜きにしても、あのペナルティは不要だという意見が大半のはず。

 

今回は専門家である解説陣の総意でも、ベッテルは自分のミスをなんとかリカバリーして順位をキープしただけという見解でしたから。

 

前戦でのフェルスタッペンへのペナルティと同様に、今回もアンセーフという部分を問われたペナルティであるという点は同じで、確かに、コースアウトした場合に後方に対して安全にコースに復帰する、という原則に則れば、ベッテルが悪い、ということになるので、

もしかすると、FIAの関係者は、今回もペナルティを出さないと前戦でのペナルティの正当性をレッドフルやフェルスタッペンから蒸し返されるかも知れない、とでも考えたのでしょうか?

 

でも、前戦でのフェルスタッペンの一件と、今回のベッテルの一件とでは、一つ決定的な違いがありますよね。

 

それは、前戦でのフェルスタッペンが、アンセーフ・リリースでボッタスの前に出て順位を上げるというゲインや、それによって、そのあともそのまま不当に得た2番手のポジションのまま走り続けるというアドバンテージ(優勝の可能性)まで得たのに対し、今回のベッテルは、ハミルトンの前に出て順位を上げた訳ではなく、あのコースアウトからの復帰でゲインを得てはいないということ。

 

私は前戦でのフェルスタッペンへの5秒のタイムペナルティはそのゲインに対するものだと解釈していたので、

それなら、ゲインを得ていない今回のベッテルに対してのペナルティは必要ない(もしくは、同じ5秒というタイムペナルティなのはおかしい)ということです。

 

もしここ2戦でのFIAの裁定に一貫性があったとするなら、アンセーフに対する対価は状況を問わず一律5秒であり、それによってゲインを得たかどうかは関係ない、というのがまた新たな判断基準だということになるのですね。(苦笑)

 

 

まあ、それにしても、ベッテルのレース後の行動のインパクトは強烈で、

FIAの裁定が間違っていたとしても、あれだけ公の場で露骨に裁定を批判する行動を取れば、FIA関係者の自尊心を傷つけてしまい、何か追加の制裁を喰らうかも知れませんが・・・

感情的になるな、と批判するのは簡単だけど、私は、それ以上に、あそこまで追い込まれたベッテルの精神状態が心配です。

あそこまでやる時って、もうF1をやめてもいいというくらいの気持ちになっているのではないか、と思ってしまったので。

 

 

それと、表彰式後には、今回のペナルティに関してはハミルトンには何の責任もない、という雰囲気になりそうな感じでしたが、私はそうは思いません。

 

確かに、直接的には責任はないけれど、今回は、解説陣の方々も含め、見ていた誰もが(前戦でのフェルスタッペンのアンセーフ・リリースとは違って)あれがアンセーフだとは思っていなかったのに、ハミルトンが無線で発信したことによってFIAが審議対象にし、前戦との矛盾を指摘されないように考えたFIAの関係者が、あれこれ考えた挙句に、逆に矛盾する裁定を下してしまった訳で・・・

ハミルトンは、ベッテルがいない場でのインタビューでは、FIAの裁定だから(自分は関係ない)、とか、ベッテルは安全に戻るべきだった、とか、シレっと言っていたけど、私に言わせれば、どの口がそれを言う、という感じで、

表彰台でベッテルを上段に立たせようとした行為も、あざとい、としか見えませんでした。

 

ハミルトンの場合は、逆に、シケインカットでも相手の前にさえ出なければペナルティにはならないことを利用して、わざとシケインカットでギャップを縮めてアドバンテージを得る、ということを、過去にも散々(近年では、メキシコの1コーナーとか、ロシアの2コーナーとか、モナコシケインとかでも)やっている訳で、本当にズル賢いですからね。

 

注釈:一口にシケインカットといっても、カットすることでゲインを得られるものと、コースアウトしたことでロスするものがある訳で、ハミルトンが意図的にやるのは前者であり、今回のベッテルの場合は後者ということです。

 

それらはレース中に他のドライバーが指摘しなったから審議対象にもならず、当然、ペナルティにもならなかった訳で、審議対象を自分たちで判断することも出来ないFIAも情けないですが・・・

 

今回のペナルティはハミルトンが姑息な手段でベッテルを陥れたもの(他のドライバーだったらやらないこと)というのが私の認識です。

 

 

もう一つ、

表彰式後のベッテルへのインタビューの際に、インタビュアーがハミルトンに対し、過去にベルギーで同じ目にあった、と言っていましたよね。

恐らく、2008年のスパでの一件のことだと思うのですが、当時のことを知らない人が誤解するといけないので、私が補足しておきます。

 

それは、スパでのレース終盤、トップのライコネン(当時フェラーリ)に対し、2番手だったハミルトン(当時マクラーレン)が最終コーナーのシケインをカットしてギャップを縮めて(一度ライコネンの目の前に出てから順位を戻すという危険かつ卑怯な行為でギャップをゼロにして)アドバンテージを得て、一度前に出られたことでスピードを失ったライコネンをそのまま次の1コーナーでオーバーテイクした、というもので、ウェット絡みの中で、それでリズムを狂わされたライコネンはそのあとクラッシュしてリタイヤ(完走扱い)、ハミルトンはそのまま優勝という結果だったもの、

レースが終わってから、あそこであれ(シケインカット)をやったら(あれが許されるなら)誰でも抜ける、と(他の良識あるドライバーからも指摘されて)問題になり、ハミルトンの優勝はレース後の裁定で取り消しになった、という経緯なので、今回とは全く状況が違います。

 

恐らく、インタビュアーは、レース後にペナルティで優勝が取り消された、という側面だけを捉えて、同じ目にあった、と言っただけで、

あの時のハミルトンのシケインカットが危険行為であったことや、あの一件がハミルトンがわざとシケインカットでアドバンテージを得ることを繰り返すキッカケになった出来事だった、ということを指摘したかった訳ではないですよね。

 

そのあとに、ハミルトン・ルールの一つとして、シケインカットなどから得たアドバンテージでの直後のオーバーテイクを防止するため、コース外に出たコーナーを再度通過するまで(要は、一周するまで)オーバーテイクは禁止、というレギュレーションが定められたのですが、

まあ、いい加減なFIAのルールですからね、今でもそれが厳密に守られているのかは判りません。

 

ハミルトン自身は、前にさえ出なければアドバンテージを得てもペナルティにはならない、という部分だけを利用して、その後も何度か意図的なシケインカットを繰り返しているし、本当にズル賢いから、その周回ではオーバーテイクは仕掛けない、というのもシレっと守っているようですが・・・

 

 

ということで、また今回も偏見だらけですが、

今回の一件も、レース後のベッテルの行動だけが大きく注目されて、その感情面が批判されそうなのに対して、まるでハミルトンが良識人であるかのような誤解を生みそうな雰囲気だったので、少し反論してみました。

 

 

 

【追記】

ハミルトンは今度はこんなことを言い出したのですね。

 

F1-Gate.com :ルイス・ハミルトン 「立場が逆だったらベッテルと同じことをした」

 

ベッテルのいない場でのインタビューでは、ベッテルは安全に戻るべきだった、とか言っていたように聞こえたのは、同時通訳さんの誤訳だったのでしょうか?

 

レース中に自分で無線で指摘したくせに、あとでリプレイを見たら変わったとか、白々しいことを言っているけど、リプレイを見たからではなく、

レース後の反応を見たらベッテルに肯定的(ペナルティに批判的)な意見がほとんどだったから、調子よく変えただけのくせに。

 

(どこまでも偏見が止まらない。)

 

 

 

【追記】

本文中に書いた、過去のモナコシケイン、というのはこの時(2016年)のことです。

 

 F1-Gate.com :ダニエル・リカルド 「ハミルトンは同じような合流でお咎めなしだった」

 

ちなみに、この時のハミルトンは、リカルドが言っているコースアウト以外に、別のシーンでもシケインをカットしてちゃっかりゲインを得ちゃってますからね。

確か、リカルドがハミルトンに逆転されたのには、それも影響していたはず。

 

ハミルトンは、そういうことを平気でやるドライバーなんです。

 

そして、やったあとで、自分は何もしていないと平気で嘘をつく

 

ここでは詳しいことは書きませんが、興味のある方は、2009年の開幕戦でのハミルトンとトゥルーリの一件も振り返ってみると面白いかも。