気ままに、うぇぶ録 NEO

 F1の感想を中心にやってます。

2019年F1 第7戦 カナダグランプリ 追記

カナダグランプリでのペナルティに対し、フェラーリが控訴を取りやめたことで、正式にレース結果も確定してしまいましたが、

 

ここで、もう少しだけ追記しておきます。

 

 

先週末のF1GPニュースでの川井ちゃんの解説によると、

今回のベッテルへのペナルティは、コース内への危険な復帰に対するものではなく、復帰したあとで意図的にハミルトンの進路を妨害したと判断されたから、というものでした。

 

コース内への復帰と進路妨害は別の事象であり、

コース内に復帰したあと、加速体制に入ったベッテルが、コースに沿って真っ直ぐに加速せず(ミラーでうしろを確認したうえで)右にステアリングを切ってハミルトンの進路を妨害した、とスチュワードが判断したということのようです。

 

モナコでのレッドブルのアンセーフ・リリースの一件も、チームが危険なリリースを行ったことに対してではなく、フェルスタッペンが壁に押し付けるようにボッタスの妨害をして接触した(それでボッタスが順位を落とした)ことに対するもの、ということのようで、

F1速報の記事の中で森脇さんも、恐らく(フェルスタッペンが右に寄せず)接触が無ければペナルティも無かっただろう、と言っています。

実際、今回のベッテルと同様に、モナコでの一件に対しても、チームの責任としてではなくドライバーの危険行為として、フェルスタッペンにはスーパーライセンスへのペナルティポイント2点が科せられていますからね。

 

なんだかもうFIAの判断基準が意味不明、というか、

逆に、それならアンセーフ・リリースやコース内への危険な復帰という部分は何も問われてはいない(どちらも、あの事象自体はアンセーフには該当しない)ということになりますよね???

 

 

レース後のベッテルの行動に対しては追加の制裁は下さないという点も、なんだか矛盾している、というか・・・

 

あの2016年のメキシコでのベッテルのFIAへの暴言騒動の際に、(インシデントの被害者だったのにも係わらず)ベッテルの発言だけが問題視され、オフィシャルに対して敬意を欠く言動は二度としないと誓約させられているのだから、今回のベッテルのレース後の行動は完全にアウトですよね?

 

あの時の一連の出来事に対するFIAの裁定そのものが異常だったことは、以前のブログの記事で散々書いており、それ自体、私は全く納得していませんが、

 

公には、あれがFIAの正式な裁定なのだから、ベッテルには前科があり、その時の誓約に反することを今回行ったことになる訳で、

今回のベッテルのレース後の行動に対しFIAが制裁を下さないというのは明らかにおかしいと思うのですが???

 

FIAとしては、

レース中のインシデントに対しては、批判的な意見が多く、ペナルティは不要だったという意見も理解出来ない訳ではないが、あとからペナルティを取り消すことは出来ないから、

レース後のベッテルの行動に対しては、明らかに規範から外れているけれど、世論を忖度して、(次は許さないと言っていたのに)今回は追加のお咎めは無しにした、ということなのでしょうか?

 

 

今のF1は、ライコネンのようなトップドライバーでさえも、本当のドライバーの実力が反映されない上位争いには興味を失ってしまっているし、

アロンソも、すぐに勝てるマシンでなければF1には復帰しない、と言っているように、メルセデスのドライバーにならなければタイトルを取ることは不可能(逆に言えば、メルセデスなら誰でも勝てる)というのが現状であり、

 

序盤戦3分の1が終了した今年のF1も、当初の予想を裏切るメルセデスの完全独走状態の中で、ここ2戦で早くもボッタスが崩れたことでメルセデスのチーム内対決という構図すらも無くなってしまい、現時点でハミルトンのタイトルはほぼ確定、

タイトル争い的には、2014年以降でも最悪で、全く見所が無くなってしまいました。

一時は注目されたルクレールも、やはり、今のフェラーリのチーム力では期待出来そうにないし、

フェルスタッペンの実力や人気がどうであれ、ホンダPUのパワーや今年のレッドブル車体性能では、メルセデスの対抗馬になれるとは考えられず、(ホンダに注目して騒いでいるのは日本だけ、)

ガスリーにいたっては、レッドブルから「本当は昇格させたくなかった」と言われはじめ、可哀そうなくらいですからね。

 

今回はFIAが自らの裁定でそのポイント差を拡げてしまった訳で、

こんな状況の中で、更にFIAが正論に則ってベッテルに追加で(今回はそれに匹敵するという意見もある)数戦の出場停止とかライセンス剥奪という制裁を下せば、もう本当に今年のF1は終わってしまうだろうから、

本気でFIAが今回のペナルティは正当だった考えていたとしても、それを公の場で批判されたことに対してこれ以上追加の制裁を下すことは躊躇するのだろうけど・・・

 

形だけの戒告処分すらも無いというのはどうなのかと・・・

 

フェラーリの控訴取り消しも、それで逆にペナルティを重くしたり追加の制裁を下したりすればまた騒がれるから、(もはやランキングには影響しない僅か7ポイントことで)これ以上波風を立てて欲しくないというFIAからの何らかの働きかけがあったのでは、と勘ぐりたくなってしまいました。(苦笑)

 

 

今に始まったことではないですが、FIAの裁定の判断基準は素人の私には本当に理解出来ません。

 

 

 

【追記】 6月18日

フェラーリはペナルティを受け入れた訳ではなかったようで、 FIAに再審を請求したとのこと。

 

異議申し立て(控訴と言っていたもの)は諦めたと報道されていたので、順位は確定したと思っていたのですが、そうではなかったようです。

 

異議申し立て(期限は木曜まで)と再審の請求(期限は日曜まで)との違いは「新しい証拠が見つかった場合」ということなので、

フェラーリが、裁定を覆すだけの何かしらの新しいデータ、を提示したということになりますが、それがこれまでの映像やテレメトリーのデータ以外の何なのか、ちょっと興味深いです。

 

FIAが新しい証拠を重要だと判断した場合、審議が行われるのはフランスグランプリが行われる週末ということなので、

フランスグランプリの決勝の前までには結論が出ると思っていればいいようですね?

 

 

【追記】 6月22日

やはり、予想通りというか、 フェラーリの再審請求は却下されました。

 

これで、今度こそ、カナダグランプリの順位は確定ということですね。

 

まあ、そもそもの事の発端がベッテルのミスであることや、もはや今年のタイトル争いには何の影響も無いことから、それ自体はどうでもいい(今年のF1自体がどうでもいい)のですが、

私が、こうやっていつまでも追記をしながら、この件に拘っている一番の理由は、(たぶん)インシデントの相手がハミルトンだから、なのかな。

 

既に始まっているフランスグランプリのフリー走行の解説で話が出ていたように、今回のカナダグランプリでは他のドライバーにも同様な「悪質ブロック」があったのに、審議されてペナルティを科せられたのが、相手がハミルトンだったこの一件だけであり、

ハミルトンが、過去の自分を棚に上げて、相手の非をを無線で発信したことが審議対象になるキッカケになったことや、過去にもそうだったように、また今回もハミルトンだけが優遇されているような裁定が下ったことが、(たぶん)私が一番気に入らないところなんだと。

 

たぶん、というのは、もし相手が別のドライバーだったら私がどう反応していたか、自分でも判らないからですが・・・

 

まっ、相手がフェルスタッペンだったら、もっとボロクソ書いていただろうけど。

 

私の感想は、所詮、好き嫌いで書いているだけですからね。