気ままに、うぇぶ録 NEO

 F1の感想を中心にやってます。

2019年F1 第17戦 日本グランプリ 雑記(詳細)その2

日本グランプリと、今年のF1のまとめの感想の続きです。

 

前回は、ルクレールとフェルスタッペンのことだけで長くなってしまい、気力が尽きてしまったので、

改めて、今回はベッテルのジャンプスタートについての感想から、

 

FIAがジャンプスタートとして認定しなかったので、公式には、ベッテルのスタートの失敗ということになりますが、

日本の解説陣の方々は、何故あれがジャンプスタートとしてペナルティが科せられなかったのか、疑問に感じていたようですね。

 

森脇さんは、最後に、あれをペナルティにしたらレースの見所が無くなってしまうとFIAが考えたのでは、と言っていましたが・・・

(そうではないとは言い切れないけど・・・)

 

川井ちゃんは、トランスポンダーで検出しているから動いたら否応無しにペナルティだと力説していましたが、それって間違いですよね。

確か、2年前のオーストリアでのボッタスのジャンプスタート疑惑の際のFIAの公式見解として、ドライバーにはスタート前の準備としてある程度動くことは許容されており、ジャンプスタートに関する具体的な数値の基準も無いから、判断の基準は、トタンスポンダーの数値でもビデオによる映像でもなく、レースディレクターやスチュワードの主観だと言っていたはずなので。

 

具体的な動きについては、CS放送の国際映像をコマ送りで見れば素人の私でもある程度の分析は出来る訳で、

 

確か、2年前のボッタスは、オンボード映像をコマ送りで見ると、シグナル消灯の3コマ前(1秒30フレームだとすればコンマ1秒前)に動き出してそのままスタートしていたと、当時の感想で書いたはず。

あの時は、実際にリアルタイムで見た時点で素人の私でも気が付いたくらいなのに、それでもジャンプスタートにはならなかったと・・・

 

今回のベッテルは、リアルタイムでは単純にスタートで出遅れたようにしか見えなかったし、うしろのボッタスのオンボード映像でも、そういう風にしか見えません。

ベッテル本人のオンボードのリプレイ映像を見るとようやくその動きの詳細が判るのですが、コマ送りで見ると、シグナル消灯の10コマ前(3分の1秒前)に一度僅かに動いてシグナル消灯前に止まり、シグナル消灯とほぼ同時に再度動き出してスタートしていることが判ります。

2年前のボッタスよりも早く動いていることは事実ですが、そのままスタートした訳ではない(トランスポンダーの検出位置を外れていない?)し、

むしろ、私は、3分の1秒の間に自分でジャンプスタートに気付いて止まり、シグナル消灯と同時に再度スタートして、あの蹴り出しの悪さでもボッタス以外には抜かれなかったベッテルの反応速度が素晴らしいと思いました。

ベッテルが今回スタートを失敗したのは事実ですが、それでも、スタートが下手な(それも自分の問題ではなくホンダのPUの技術的な問題だとほざいていた)フェルスタッペンと比べたら遥かにまし、ということです。

 

解説ではロシアでのライコネンのジャンプスタートを引き合いに出していましたが、それとは動いた時間と距離が大きく違うし、

判断基準の一貫性はともかく、個人的には、今回のベッテルはジャンプスタートではないというFIAの認定は支持しています。

 

 

と、長々と書きましたが、ベッテルの動きが実際にどうだったか、という細かいことは別にどうでもよくて、

心配なのは、そんなベッテルの精神面の問題です。

シンガポールで投入したアップデートの効果で、ベッテルには合わないとされたマシンの特性の問題は改善されつつあるようですが、

こういう状況でのスタートの失敗なんて、以前の(最終戦まで勝ちに拘り続ける)ベッテルだったらありえないことだと思うし。

せっかく予選ではルクレールを大きく上回るパフォーマンスを発揮出来たのに、やはりまだ完全復活とはいかなかったようで・・・

 

今年のF1を振り返って、忘れてはいけないのは、やはり、あのカナダでの一件で、

ベッテルの気持ちが判るというようなおこがましいことを言うつもりはありませんが、あの時、モチベーションの低下というレベルではなく、ベッテルの精神状態は一度どん底まで落ちてしまったはず。

 

FIAの裁定に一貫性や公平性がないのは、別に今に始まったことではなく、あのカナダでの一件もその内の一つでしかないから、いまさらどうこう言う問題ではないのは判っていますが、

 

FIAの裁定は今年も本当に酷かったですよね。(結局はこれが結論)

 

 

そして、もう一つの問題として、

じゃあ、あのスタートの失敗がなければ、ベッテルは(フェラーリは)勝てたのか?

という点です。

 

私は、勝てなかった可能性が高い、と思っています。

 

ここからは、精神論は関係なく、単純に技術面での話で、

 

夏休み明け以降(特にシンガポールでのアップデートの投入以降)専門家の見立てでも、最速のマシンはフェラーリだという評価が定着しつつあるようで、

(それ以前も、フェラーリのマシンはポテンシャルは高かったけど、最適なセッティングが出来ていなかっただけ、という見立てもあるようですが、)

少なくとも、フェラーリはPUのパワーでアドバンテージがあり、ストレート区間は圧倒的に速いというのは間違いないと思っていいようですね。

昨年は、フェラーリが速いというのはMGU-Kのディプロイの持続時間が長いだけ、という認識でいましたが、

今年は、実際にICEのパワーが他を上回っているらしく、また恒例の、何かのオイルを燃やしているのでは、という疑いも出てきました。

 

でも、そのアドバンテージが活かされるのは予選だけで、

今のF1では、決勝で競っているのはピレリタイヤをいかに長く持たせられるかだけなので、アウトラップも含めて2周だけタイヤを使えばいい予選がどれだけ速くても、決勝では勝てないと。

問題はピレリタイヤを使いこなせる車体特性(単純に言えば、タイヤを地面に押し付けるダウンフォースの多さ)であり、ストレート区間よりも市街地セクションが速いマシンの方がアドバンテージがあり、その点では、フェラーリメルセデスレッドブルと比べると大きく劣っていますから。

まあ、それもアップデートの効果でシンガポール以降はある程度改善されてはいるけれど。

 

戦略面でも、今のレギュレーションやピレリタイヤの性能では、基本的に1回のタイヤ交換のタイミングの違いしかない訳で、(それ以外は他力本願でセーフティーカーやVSCが出ることに期待するだけ、)

状況を変えようとして早めのタイや交換でのアンダーカットを狙っても、タイヤを持たせられない車体では余計に後半が不利になるだけで、結局、後半でタイヤが新しい方が勝つというのが今のF1のお決まりのパターンなんですよねぇ。

 

これはもう、ドライバーの技量ではどうにもならない。

 

最近のF1でのレース終盤でのオーバーテイク(順位の入れ替わり)を見ていても、私には、それがドライバーの実力によるものには見えず、単に(車体性能の優劣やタイヤ交換のタイミングの違いで生じた)タイヤの状態の差にしか見えないのですよね。

 

シンガポールで、ハースがヒュルケンベルグと契約せずにグロージャンとの契約を継続したという話題が出た際に、川井ちゃんから、ハースの代表が「うちの問題はドライバーではなくマシンだから」と言っていた、という情報がありましたが、

ハースに限らず、まさにそれが今のF1の姿を的確に表している訳で、

以前にラウダが「ハミルトンとボッタスで勝てるのだからドライバーを変える必要が無い」と言っていたのも、逆の意味(メルセデスが強いのはドライバーではなくチームとマシンがいいから、という意味)で同じこと。

メルセデスならグロージャンやマグヌッセンでも勝てるし、ハースではハミルトンやボッタスであっても中堅か下位のままだよね、って思って失笑したことを思い出しました。

 

私がF1に求めているもの(本来のF1の姿だと思っているもの)は前回の感想で書きましたが、今のF1はそれとは大きく異なったものになってしまい、私はもうそれを面白いとは感じることが出来ないのですよね。

 

 

今年のまとめというよりも、来年の展望として、

 

ここ数戦、フェラーリが勝てるようになっても、いまさら、という感想しか書いてないのですが、来年はレギュレーションの変更が無いということで、今の状況がそのまま来年に繋がる(今のデータやノウハウが来年も活かされる)はず、ということは私も判っています。

そのために、各チームも、今年は後半戦になってもマシンの開発(アップデート)を継続している訳ですよね。

 

あまり期待はしていませんが、

来年こそは状況に変化があり、フェラーリが、(数字上)フェラーリを超えるメルセデスコンストラクターズ7連勝と、シューマッハと並ぶハミルトンの7回目のタイトル獲得を阻止するような展開が見れたらいいなと思っています。

 

 

 

ということで、今回の感想はここまでです。

 

 

このあと、メキシコ、US、ブラジルの3戦は日本時間では夜中のレースになりますが、以前のように夜中に起きて生中継を見る気力はないので、録画で済ませるつもりだし、

終戦アブダビの決勝は、12月1日なので、これまでのように11月でフジテレビNEXTを解約すると(昔のような地上波やBSでの無料放送もないので)見ることが出来ません。

(既にタイトルも決まったあとで、僅か3時間の1回分の決勝のために1ヶ月分契約を継続するかどうかは、12月にF1以外にも見たい番組があるかどうか確認してから決めるつもりですが・・・)

 

なので、このあとどうしても文句が言いたくなるようなことでも起こらなければ、これで今年のF1の感想は最後にするつもりでいます。

 

 

(今回も部分的に文章を追加修正しています。)

 

 

【追記】

 

12月1日は第一日曜なので、スカパーは無料放送の日(一部を除く)になります。

フジテレビNEXTは、他の番組は無料にしても、F1の生中継を無料にしたことは過去には一度も無かったはずですが、

今回くらいは(どうせタイトル争いの結果は決まったあとなのだから)アブダビの決勝の生中継を無料開放するような太っ腹な対応を見せてもらいたいものです。

まあ、それで、11月まででの解約者がどれだけ増えるのか判りませんが・・・

 

無理だとは思っていますが、一応書いておきました。