気ままに、うぇぶ録 NEO

 F1の感想を中心にやってます。

2020年F1(新)第5戦 70周年記念グランプリ 雑記(決勝)

2020年F1、新カレンダー第5戦、「70周年記念」グランプリの決勝の結果です。

 

f1-gate.com

 

既に結果が見えているタイトル争い(誰が勝つのか)には全く興味のない私は、

前回の出来事を受けて、もはや、ピレリタイヤの動向にしか注目していなかった訳ですが、

今回はこれといったアクシデントも無く、セーフティーカーも入らない平凡でつまらない展開で、タイヤが破損が発生するような事態こそ再発しなかったけれど、

ピレリのタイヤの破損防止対策がレース結果を左右する(これまでの勢力図をひっくり返す)ような大きな影響をもたらしてしまうことになってしまいました。

 

レッドブルは、結果がすべて、だと言うのかも知れませんが、今回のフェルスタッペンの優勝も、またいつものように、自力(ドライバーの実力)ではなく、他力(チームの優れた戦略や、メルセデス勢のトラブルや不調)によるものであり、

その、今回のレッドブルの勝因となったメルセデスの不調をもたらしたのが、ピレリタイヤの破損防止策である内圧の設定値の変更(具体的な数値は予選後の感想の方に記載)だった訳で、

個人的には、これは、ピレリが指定する内圧の設定値によってレースの結果が左右されてしまうというとんでもない事態だと思います。

 

 

これは、いつもの、チーム・フェルスタッペン・ホンダに対する嫌味ではなく、まじめな話で、

 

コンパウンドが1ランク柔らかくなっているので、比較するのは、同じタイヤである前回のミディアムと今回のハード(これをいちいち書くのは面倒くさい)ということになりますが、

前戦のスタート後の第1スティントは、メルセデスの2台もレッドブル(フェルスタッペン)も同条件のミディアムで、その時のレースペースの差はレッドブルの方がコンマ5秒近く遅かったのが、

今回は、フェルスタッペンとボッタスが同時にピットインして同じタイミングで同じハード(前回のミディアム)を履いた第3スティントを見ても、メルセデスのレースペースが劣っており、タイヤの状態(見た目)の差も、素人が見ても明らかなくらいメルセデスの方が劣っていたように、その力関係は完全に逆転してしまいました。

ボッタスにしてみれば、前回はピレリのタイヤが壊れたことでポイント圏外、今回はピレリが指定したその対策のためにレッドブルに勝つことが出来ず、フェルスタッペンにランキングで逆転されてしまうことになり、踏んだり蹴ったりです。

逆に、フェルスタッペンは、ピレリのおかげで、前回は2位、今回は優勝というのだから、いったい誰がレースの結果を決めてるのか、って話です。

 

ハミルトンが無線で、レッドブルは内圧が低いのではないか、とぼやいて、解説陣のひんしゅくを買っていましたが、私も、これだけタイヤの状態に差があれば、そういう疑念も出てくるよね、って、珍しくハミルトンに賛同してしまったほどで、

これだけのペースに差があれば、仮に、メルセデスレッドブルと同じハード(前回のミディアム)スタートだったとしても、結果は同じで、戦略の差が今回のレッドブルの勝因だった訳ではないですからね。

 

 

以前の感想で、私は、今のF1に予選をやる意味があるのか、と書いたのですが、

それは、予選の結果は、車体とPUの持つ最大のポテンシャルの序列だけど、タイヤの使い方を競っているだけで、純粋な速さを競っている訳ではない今のF1の決勝の結果(最終的なランキング)は、予選の結果には関係なく、決勝のレースペースの速さと予選での一発の速さがリンクしない、という現状を皮肉ったものですが、

これまでは、とりあえず、メルセデスは一発の速さでもレースペースでも抜きん出ていて、レッドブルは一発の速さはピンク・メルセデスマクラーレン、更にはルノーにも劣る時があるレベルなのに、決勝では毎回メルセデスに次ぐ2番手という状況でしたが、

今回のような異常に高い内圧の設定では、決勝でのレースペースで、レッドブルメルセデスまでも大きく逆転するという状況になってしまったということです。

 

車体の純粋な速さやPUの性能が全く意味を成さないのなら、いったい今のF1は何を開発してる(何を競っている)んだって話ですよね。

 

 

それだけレッドブルの車体の性能(純粋な速さではなくピレリタイヤへの適応力)が優れているということで、条件は同じなんだから、メルセデスも(他のチームも)車体を改善すればいいだけの話、という考え方もあるとは思いますが、

車体の開発時の想定値や、テスト時の設定値を超えるような高い内圧が指定されれば、それはもう、車体側が対応すればいいという問題ではないですからね。

実際、フリー走行での津川さんと森脇さんの解説で、今回のメルセデスはコーナーでのロールが大きいと言っていたように、高いタイヤの内圧設定に対し、サスの柔軟性で対応しようとしていたようですが、それでは対応しきれずに、これだけ大きなタイヤの性能低下となってしまったみたいですし。

 

 

って、なんだか今回は珍しくメルセデス寄りの見解を書いている私ですが、たまたま比較の対象が、今の状況下では、メルセデスレッドブルだっただけのこと。

まあ、チーム・フェルスタッペン・ホンダが優勝して、それを自分たちの力だと思っていることが気に入らないのは否定しないけど・・・

私が言いたいのは、ピレリが自分たちのタイヤの強度不足を補うための対策として決めた設定値がタイヤが正常に作動する範囲を超えていて、それがレース結果を左右することになってしまうのはいかがなものかということです。

これは、気温や路面温度の上昇という不可抗力(自然現象)とは違いますからね。(まあ、最近の異常気象は人災のようなものだけど・・・)

シーズン前、2019年仕様のタイヤの継続使用が決まって、チームが車体を開発する段階から、タイヤの強度が足りないから内圧の設定値を上げることが提示されていたのなら、別にいいのだけど。

 

 

まあ、実際問題としては、今後、すべてのサーキットでこの内圧の設定値が使われる訳ではなく、タイヤへの負荷が大きい高速サーキット(例えば、川井ちゃんが心配していたムジェロとか)で使われるだけだと思うので、

これで、決勝での勢力図が完全に逆転し、レッドブルの常勝状態となることは無く、メルセデスのタイトル獲得に影響が出るとは思っていないし、その他のチームも含め大勢に影響はないと思うけど、

 

ピレリが今回と同様の高い内圧を指定したコースでは、そのことによって、実質的に勝者が決まってしまうことになる訳だから、 

個人的には、とりあえず、内圧の設定値は変えず(もしくは下げて)、以前にもやったように、使用周回数を設定する方がいいような気がします。

それはそれで微妙な対策ですが、その方が、直接的にピレリが勢力図に関与する割合は低いような気がするので。

 

 

私は、今のピレリタイヤの使い方を競っているだけのF1は大嫌いですが、その結果がピレリのさじ加減一つで左右されるようでは、もう、本当に馬鹿らしいだけです。

 

って、また、今のF1を全否定してしまいました。

 

 

まあ、こういう視点での批判は私以外には誰もしないだろうから、恐らく、ここで書いたことは的外れな批判なんだと思うけど、 

私は、どっちがタイヤをうまく使えるかだけを競い、タイヤがボロボロになりながらレースをしている今のF1を見ていても、全く面白いとは感じません。