気ままに、うぇぶ録 NEO

 F1の感想を中心にやってます。

2020年F1 予選モード禁止へ?(その後)

ベルギーグランプリからと言われていた予選モードの禁止が、1週間先のイタリアグランプリまで延期されることが正式に発表されたようです。

 

f1-gate.com

 

私は、予選モードの禁止の施行自体がまだ未確定、という認識でいたのですが、

この記事に書かれていることは、予選モードの禁止は既に決定事項で、今回、その施行がイタリアグランプリからになることが正式に決まった、という意味で捉えていいのでしょうか?

 

 

予選モードの禁止というものの具体的な内容も、この記事には「予選とレースで単一のエンジンモードを使用しなければならないという制限」と書かれているので、どうやら、実際に行われるのは「予選と決勝でのICEモードの変更禁止」ということになるようですね?

 

つまり、この制限が施行されれば、予選と決勝では一つのICEモードしか使えず、モードの変更は一切出来ないことになると?

ってことは、ICEのモードには、スタート時からスタート直後に使われるローンチモードや、セーフティーカーやVSC時に使われる省燃費モードなどもあるはずですが、それらも一切使えないということになってしまうのでしょうか?

 

まあ、この件の技術指令の表題が「予選とレース間の調整範囲の縮小」だと書かれているようなので、一切使えなくなる訳ではなく、使えるものが制限されるだけだとは思うけど・・・

疑問符ばかりで、まだまだ具体的な内容はよく判りません。

 

他にも、ERS(MGU-K)の合法性の問題も出てきていて、それが予選モードの問題と何か関係があるものなのか?(予選モードはMGU-KではなくICEの問題のはず?)

私には判らないことばかりです。

 

注釈:もしかすると、この辺の話題は、金曜日のF1GPニュースでも取り上げられたのかも知れませんが、私は(もう過去のレース結果を振り返る必要性を感じないから)F1GPニュースの方は見ていないので、どうだったのか判りません。

もしなかったのなら、詳細は次のスパのフリー走行での解説待ちということですね

 

 

で、個人的に、一番問題だと思うのは、予選モードを禁止する理由ではないかと思うのですが、

 

そもそも、予選モードと言われてイメージするのは、ICEの耐久性(1基を使用出来る周回数のマイレージ)は度外視で、もちろん違法な手段は用いずに、最大限のパワーを引き出すモード、のことで、

実際、トト・ヴォルフも、予選モードを5周分使わなければ、その分、決勝で25周も余計に高いパフォーマンスのモードが使える、と言っています。

 

つまり、違法ではない予選モード(PUのパフォーマンスの余裕)を禁止することには、それを持たないPUを使う特定のチームを予選で有利にしたいという目的以外には、何ら論理的な理由がないように思える訳で、

まあ、その目論見が外れて、逆に、それを持っていたチームの方が決勝で有利になってしまうという結果になってしまうのかどうかは、また別の話として、

 

それに対するFIAの見解(言い訳?)も、今回の記事の中に書かれています。

 

それを私なりの解釈で要約すると、一つは、

 

モード切替が複雑すぎて、FIAには、それらが実際に使われている時に、その状態が技術規則に準拠しているかどうかを確認することが出来ないから。

 

ということのようで、

 

技術規則に準拠しているかどうかを証明するにも、メーカーが提出する技術的な情報ではなく、FIAが直接自分で査察して確認した事実でなければ合法性を保証する証拠にはならない、ということなので、

それを理由にするなら、FIAが何らかの方法で直接的に合法だと確認したモード(それを毎回全車について確認するつもりなのか?)以外のモードは予選でも決勝でも一切使えない、ということになってしまいますよね。

 

それと、もう一つは、

 

ドライバーは1人で援助なしに運転しなければならない、という規則があるから。

 

ということが書かれています。

 

これは、以前にも話題となり、一時期、無線でのドライバーへのアドバイスが禁止される、という事態に陥ったことはまだ記憶に新しいことだと思いますが、

それを言いだしたら、また、モード切替以外でもドライバーが行うすべての操作が制限の対象となってしまうような気がするのですが?

 

逆に言えば、それが理由なら、ドライバーが自分の判断でモードを切り替えるなら何の問題もない、ということになるのではないでしょうか?

 

 

まあ、FIAが、特定のチームを有利に(不利に)することが目的ではなく、それらが論理的な理由だというのなら、実際にその理由に矛盾しないようなやり方で「予選と決勝でのICEモードの変更禁止」を施行出来るのか、お手並み拝見といきましょう。

 

 

 

【追記】 8月25日

 

こちらの記事にもう少し具体的なことが書かれています。

 

F1-Gate.com:予選モードの禁止は規約の“抜け穴”を封じるための対策

 

どうやら、具体的に実施される内容は、インラップ、アウトラップ、セーフティーカー、VSC時を除いて、予選と決勝では単一のICEモードしか使用出来なくなる、ということでいいようですね。

 

細かいことを言えば、セーフティーカーやVSC明けに通常モードへ戻すのが遅れた場合(戻した時に既にグラーンフラッグになっていた場合)なども違反ということになってしまうはずですが、(省燃費モードから戻し遅れても誰も得はしないから、)そこまで厳密にやるのかどうかは疑問です。

 

それに、インラップとアウトラップが除外されている理由が判らないのですが、アンダーカットやオーバーカットのために、そこでハイパフォーマンス・モードを使ってタイムを稼ぐことはだけは許される、という意味なのかどうか(そういう使われ方を想定しているのかどうか)も疑問です。

 

で、この内容だと、トト・ヴォルフが言っていたような、予選モードを使わない分のICEのマイレージの余裕を決勝でのパフォーマンス・モードとして使う、ということも出来ない訳で、

メルセデスの優勢(フェルスタッペンの劣勢)という状況が見えたシーズンの途中から変更しようとしている点を考えても、

私には、これはやはり、フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)のためのメルセデス封じ、のようにしか思えないのですが・・・